鋼矢板圧入引抜工法
圧入引抜き工法
圧入引抜工法の特徴
ウォータージェット併用工法
●特徴
砂質地盤で杭に静荷重を加えると、先端で土粒子が圧密され先端抵抗が大きくなります。また継手同士を組み合わせた間隙に細かい土粒子が入り込むと、貫入が深くなるにつれ土粒子が締め固まって継手間抵抗も増大します。これらは、杭の先端と継手部を損傷させ、圧入施工を阻害する大きな要素となって杭の貫入を困難にします。
そこで、杭先端部の地盤に高圧水を噴出する(ウォータージェット)ことで、土粒子間の間隙水圧を一時的に高め、土粒子が移動しやすい状態を作り出します。同時に地上に湧き上がろうとする噴流水で杭の周面を潤滑させながら、継手部に侵入する土石の締め固まりを防ぎます。こうして貫入抵抗力を軽減し、杭を損傷させることなく小さい圧入力で効率的な圧入施工を行うことができる工法です。
圧入機本体には、チャック回転、マスト旋回、クランプ左右のメカニズムが備わっており、カーブや複雑な計画法線にも対応することができます。最小施工半径は、杭材および圧入機の仕様によって異なります。
圧入機(Uパイラー)本体には、同位置から進行方向と直角に左右各2枚づつ計4枚の鋼矢板を圧入および引き抜き可能な「コーナーフォー(C4)」機構が標準装備されています。圧入機本体の位置を変えずに、コーナーを曲がった進行方向に2枚目(図のL2、R2)まで圧入し、方向転換時の反力杭としてその後ろ側(進行方向と反対側)にも2枚まで施工できます。このコーナーフォー機構によって、市街地での建築工事や狭小な現場でも、安全かつ効率的に締切工や立坑建設を行うことができます。
最新型の圧入機は、石油メーカーと共同開発した圧入機専用の生分解性作動油(パイラーエコオイル)とグリース(パイラーエコグリース)を標準採用しています。万が一、水中や土壌に流出しても自然界のバクテリアによって分解され、生態系に影響を与えません。